【永久保存版】もう迷わない!日本酒選びの3つの基礎知識

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「日本酒って、飲めばおいしいけど、どうやって選べばいいのかわからない!」

そんな人、多いのではないでしょうか?私も最初は「日本酒って違いはあるみたいだけれど、どう表現すればいいのかわからない・・・ラベルに書いてある言葉が難しすぎる・・・」と思っていた酒飲みのひとりです。

私は、日本酒をたくさん飲んでいる間に、すっかりハマってしまい、日本酒のプロの資格である国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠になりました。「日本酒オタクのあゆみせんせい」として、世界中で日本酒がより身近になるように活動しています。

あなたが日本酒をもっと楽しめるように、日本酒選びに役立つ3つの基礎知識をシンプルにわかりやすくご説明します。ぜひ保存してご活用ください!また、日本酒選びに悩んでいる友達がいたらこの記事を紹介してあげてくださいね。

日本酒には普通と普通じゃない2種類がある

日本酒には「普通酒(ふつうしゅ)」という日常的に楽しめる日本酒があります。価格もお手頃で、気軽に飲めるお酒です。逆に、いい意味で“普通酒ではない”もののことを「特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)」といいます。これは、一定の基準を超えているこだわりの日本酒のことです!普通酒はラベルに書いてないこともあるため、後ほどご説明する8つの名称が書いてあれば特定名称酒で、書いてなければ普通酒、と判断するのが一般的です。(例外もあります。)

この2種類についてもっと詳しく知りたい方は、「英語でわかる!『普通酒』ってどんな日本酒?『普通じゃない日本酒』とは?」という記事を読んでみてくださいね。

日本酒の香りや味わいは4つにわけられる

1000以上の日本酒の酒蔵がある日本。それぞれの酒蔵さんが、個性を活かして、おいしい日本酒を造っています。たくさんある日本酒ですが、香りや味の特徴を「香りが高い/低い」そして「味が複雑/シンプル」ということを基準にして4つに分類する方法「香味特性分類(4タイプ)」(略称:4タイプ分類)があります。

1. 薫酒(くんしゅ):香りが高くて味がシンプル
2. 爽酒(そうしゅ):香りが低くて味がシンプル
3. 醇酒(じゅんしゅ):香りが低くて味が複雑
4. 熟酒(じゅくしゅ):香りが高くて味が複雑

それぞれの特徴について、詳しくは「どうやって日本酒を選べばいいの?日本酒の香りや味は4つに分けられる〜前編」「どうやって日本酒を選べばいいの?日本酒の香りや味は4つに分けられる〜後編」を読んでみてください。

この4つの分け方、残念なことに日本酒のラベルに書いてあることは非常に稀です。これは、私のような唎酒師や、国際唎酒師が実際に飲んでみて分類して、お客様や一般の方によりわかりやすくしようと日々頑張っているわけ方なんです。

ですから、この4つにわける方法を心に留めた上で、ラベルでよくみる8つの名称について知っておくと、ぐんと日本酒選びが簡単になってきます!

ラベルでよくみる8つの名称

日本酒のラベルでよくみる「純米大吟醸」や「本醸造」という文字。なんだか、かっこいい!けど、意味はよくわからないですよね。こちらが特定名称酒なのですが、全部で8つあります。

<純米グループ>
1. 純米(じゅんまい)
2. 純米吟醸(じゅんまいぎんじょう)
3. 特別純米(とくべつじゅんまい)
4. 純米大吟醸(じゅんまいだいぎんじょう)

<本醸造グループ>
5. 本醸造(ほんじょうぞう)
6. 吟醸(ぎんじょう)
7. 特別本醸造(とくべつほんじょうぞう)
8. 大吟醸(だいぎんじょう)

よく見てみると「純米」という言葉が付いてるものが半分もありますね。これが純米グループで、そうじゃないものは本醸造グループと言います。この違いは原材料で、醸造アルコールというものを使っていないと純米グループとなり、入っていると本醸造グループになります。

では、グループ内での違いはなんでしょうか?これは主に「精米歩合(せいまいぶあい)」というのが関係しています。また、難しい言葉が出てきてきてしまいましたね・・・。こんなときこそ、英語が理解を助けてくれます!

精米歩合は英語で”rice-polishing rate”(ライス・ポリッシング・レート)といってお米をポリッシュ(磨く)したレート(割合)のことです。ここでいう磨くというのは、玄米から白米にすること、そのときにどれだけ削るかの割合を示しています。「吟醸」とつくものの方が削っていて、「大吟醸」と書いてあるともっと削っている!そんな風に覚えると簡単ですよ。

一般的には、お米を削れば削るほど、軽やかに飲める日本酒だといわれています。これを知っていると、香りと味わいの特徴を4つにわけた、あの「4タイプ分類」が活かせるのです。

2種類の日本酒の4タイプ分類

「英語でわかる!『普通酒』ってどんな日本酒?『普通じゃない日本酒』とは?」で書いた通り、日本酒は日常的に気軽に楽しめる普通酒か特定名称酒にわけることができます。普通酒のほとんどはシンプルでどんな料理にも合わせやすい爽酒に当てはまります。

8つの名称の4タイプ分類

「吟醸」や「大吟醸」がつくものはお米より削っているので、軽やかに飲めると先ほど言いましたね。ですから、「純米大吟醸」「大吟醸」「純米吟醸」「吟醸」は香りが高い薫酒に当てはまります。

「純米」としか書いていない場合は、お米をそこまで削っていないので、軽やかというよりはしっかりとしていますから”Rich Sake”(リッチ・サケ)である醇酒になります。また。「本醸造」の場合は、爽酒に当てはまることが多いです。

ここまでのことを、ものすごく簡単にまとめてしまうと

● 「吟醸」とついたら香りが高い薫酒タイプ
● 「吟醸」とつかなかったら何にでも合わせやすい爽酒か、こくのある醇酒

という風にわけることができるんですね!

あれ?熟酒は?と思ったそこのあなた。するどいですね!熟酒の場合は、どの名称であっても、だいたい3年以上寝かせていたらそこに当てはまります。「古酒」や「長期熟成酒」なんて表記があるので、これはとてもわかりやすいです。

もう日本酒選びで困らない!

今日は気楽に日本酒を楽しみたいから、爽酒である「普通酒」にしようかな。るんるんした気分だから、華やかで軽やかな薫酒である「大吟醸」を飲みたいな。一日かけて煮込み料理を作っているから、しっかりとした味の醇酒に当てはまる「純米」を選ぼう。食後にまったり過ごしたいから熟酒を買っておこう。

こんな風に、まずはあなたの気分や、食べる料理を考えてみましょう。それから、どの香り・味の日本酒が合うかな?と考えます。そして、それぞれ4つのタイプに該当するお酒を選べばいいんです!

日本酒のラベルには、他にもたくさんの難しい漢字が並んでいたりして、それぞれ特徴があります。そこまでわかっていたら、あなたはもう唎酒師です(笑)さけぱるでは、他にも日本酒についていろいろな方が詳しく解説してくれていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

「一本の地酒をもっと楽しもう!〜豊の秋(米田酒造)編〜」
「日本酒の「吟醸」と「大吟醸」の違いとは?」
「山廃とは?生酛との違いなどについて、知識が深まる解説!」

この記事で学んだ3つの基礎知識を使って、楽しく日本酒を飲んでくださいね!乾杯〜!

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【参考】
・『新訂 日本酒の基』(NPO法人FBO)
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ライター紹介🍶

藤代あゆみ
平成元年、東京生まれ、共立女子大学文芸学部劇芸術コース卒。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)公認国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠。「日本酒オタクのあゆみせんせい」として、シンガポールを中心に、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米など世界20カ国以上の人に向けて日本酒を広める活動を経験。平尾アウリ先生のマンガ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(徳間書店)が死ぬほど好きと言い続けたら実現したENGLISH JOURNAL ONLINEの連載がパワーアップして『推し英語入門』(アルク)として書籍化、好評発売中!
Official Website:https://www.ayumi-and-sake.tokyo/
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