HOME 記事 あれやこれや 国際唎酒師の酒放浪記〜地元のお酒はやっぱりいいね! 国際唎酒師の酒放浪記〜地元のお酒はやっぱりいいね! 2022.05.18あれやこれや 「え!?日本だと、日本酒を100円台から飲めるの?!」 シンガポールに約7年ほど住んでいた私。現地の友達とお酒を飲みながら、「日本では安く日本酒が手に入るんだよ」と話をすると、いつもこんな風に驚かれていました。 それもそのはず、シンガポールで日本酒を飲もうと思ったら、どんなに安くても2,000円くらいしてしまうのです。これは四合瓶、いわゆるスーパーの棚などでよく目にするような720mlのボトルでの値段です。シンガポールのレストランで日本酒を頼めば、一本1万円くらいしてしまうこともザラにあります。レアな日本酒であれば、一本で何十万円なんてことも。 「シンガポール人ってみんな超お金持ちなんだ!」 そう思えてしまうかもしれませんね。でも、超お金持ちも入れば、お金持ちじゃない人もいます。一本1万円もしてしまう日本酒を、お財布を気にせずに飲める人は、多くはありません。だから、日本のスーパーやコンビニなら(小さいサイズですが)100円台から日本酒を買えるというと、とてもびっくりされるんです! 「安く日本酒を買えるから、あゆみはたくさんお酒を飲めるようになったんだね!」 いや、そういうわけではないんだけど……って、すっかり申し遅れていました。私は、「日本酒オタクのあゆみせんせい」こと、藤代あゆみです。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(通称:SSI)の国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠の資格をもっていて、世界の20以上の国と地域の方々と共に日本酒で乾杯してきました。日本酒の資格をもっているので、日本酒しか飲まないと思われていますが、ビールもワインもウイスキーもカクテルも大好き!テキーラだけは、若い頃に一生分飲んだので、最近は飲まなくなってしまいましたが。 休肝日は年に数回、毎日なにかしらのお酒を飲んでいる私は、日本にいるときはもちろん、どの国や地域に行っても、安く、おいしく、楽しくお酒を飲むために全力を尽くしています。リーズナブルなお酒ほど、その国や地域で日常的に愛されているもの。だから、お酒を通じて、外国の日常文化を体験しているんです。 ビールが安くて最強!? だいたいどこの国に行っても、すぐに見つけられるお酒のひとつがビールです。そして安い!おいしい!見慣れぬ土地でも、仕事のあとの一杯は、本当に最高です。日本ではビールよりも発泡酒の方がお得だったりしますけどね。 シンガポールだと、日本酒はある意味で「高級品」ですから、やっぱりビールが一番親しまれています。だって、一缶で200円くらいから飲めちゃうんですもの。お店で飲んでも、300円とか、大きいサイズでも1,000円しないので、シンガポールでお酒を飲むなら、コスパが最強です。 写真:シンガポールのご当地ビール”Tiger Beer(タイガー・ビアー)”|筆者提供 虎のマークが印象的なタイガー・ビールは、シンガポールでつくられているビールです。スッキリ飲めちゃう軽やかな味わいで、ほんのり甘みを感じます。南国にいるな〜!と感じるお酒です。 ベトナムだったら、”333(バー・バー・バー/※ベトナム語で数字の3をバーと読む)”ビールがお気に入りで、タイだと”Singha(シンハー)”もいいけど、”Chang Beer(チャン・ビアー)”も捨てがたいですね。インドに行くときの楽しみは、やっぱり”Kingfisher(キングフィッシャー)”です。 ヨーロッパでビールといえば、ドイツやベルギーですが、実はワインで有名なイタリアやフランスにだってリーズナブルで美味しいビールがあります。 写真:イタリア・ミラノでピザを食べながらビールを一杯|筆者提供 その国・その場所で飲むからこそ美味しさが増すということもあるよね!不思議……! イタリアの食べ物といえばピザ!それも、気軽に入れるお店だと、ワインよりビールで食べている人が多かったように記憶しています。 ワインがワンコイン! ところで、「ヨーロッパでは、水よりもワインの方が安いよ」なんて話、聞いたことありますか?これ、場所にもよりますが、本当に本当です。スーパーにいけば、1ユーロのワインがたくさん売っているんです。ワンコインでワインボトル一本買えちゃうなんて、ブラボー!日本で買う日本酒よりも安いですよね。「そりゃ、ワインをたくさん飲むわ」と思いましたもん。 やっぱり地元のお酒が一番! いろいろな国や地域でお酒を飲んできましたけど、結局のところ、その土地で作っているお酒が一番リーズナブルだし、しかもおいしいんですよね。日本酒はヨーロッパのワインほど安くはないけれど、せっかくこの記事を読んでくれたあなたですから、今夜は地元のお酒を飲んでみませんか? 長く住んでいても、今自分がいる土地のお酒がどんなものなのか意外と知らないこともありますよね……早速調べてみよう! #教えてさけぱる 日本酒や、お酒に関することで「これってなんで?」「もっと知りたい」なんて思ったことはありませんか?TwitterやInstagramで「#教えてさけぱる」のハッシュタグをつけて投稿していただいた方の中から、こちらで選ばせていただき、お答えしていきます!あなたからのご質問、楽しみにお待ちしています。 ※こちらのハッシュタグをつけて投稿されたツイートやポストは、記事内への埋め込みや文章の引用いたします。個別に許可をいただきませんので、ご了承の上、投稿をお願いいたします。 ※すべての「#教えてさけぱる」にお答えすることはできかねます。記事として取り上げた内容以外のご回答はできかねます。個別のご質問への回答や、DMへの返信は原則いたしかねます。予めご了承ください。 【参考】 ・『新訂 日本酒の基』(NPO法人FBO) 【注意事項】 ・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。 ・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。 ライター紹介🍶 藤代あゆみ 平成元年、東京生まれ、共立女子大学文芸学部劇芸術コース卒。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)公認国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠。「日本酒オタクのあゆみせんせい」として、シンガポールを中心に、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米など世界20カ国以上の人に向けて日本酒を広める活動を経験。好きな漫画は『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(平尾アウリ著、徳間書店) Official Website:https://www.ayumi-and-sake.tokyo/ Twitter:@ayumi_and_sake Instagram:@ayumi_and_sake noteサークル:https://note.com/ayumi_and_sake/circle 日本酒をもっと知りたい人におすすめの書籍や資格情報 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする あれやこれや いろいろなお酒×砂糖の組み合わせで「梅酒」を漬けてみた! 日本酒まずはここから! 1銘柄1豆知識 ~蔵人の自慢酒 純米吟醸酒 五割精米(下関酒造)~