HOME 記事 日本酒を知る・学ぶ 日本酒まずはここから! 1銘柄1豆知識 ~純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24(亀泉酒造)~ 日本酒まずはここから! 1銘柄1豆知識 ~純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24(亀泉酒造)~ 2022.03.29日本酒を知る・学ぶ 『日本酒にあまり詳しくない方にとっては、「銘柄や酒蔵がどうっていうのがわからないから、日本酒って何だか手を出しづらい」と敬遠してしまうかもしれません。 「日本酒まずはここから!」のコーナーでは毎回おすすめの銘柄をひとつご紹介します。これを読んで、「1銘柄1豆知識」から知っていることを増やしてみませんか? いきなり製法について覚えたり杜氏さんの名前を覚えたりする必要はないのです。まずは視覚から、そして特徴的なこだわりなどを知ることでその日本酒に対して「飲んでみたいな」と思っていただけたら嬉しいです。 今回ご紹介する「純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24」の特徴は、高知県土佐市の酒蔵が作る、フルーティーかつジューシーな甘味と酸味が感じられるお酒です。 あまり日本酒を飲み慣れていない方も美味しく味わえる、その秘密を探ってみましょう! 「亀泉」とは ※画像:亀泉酒造公式サイトより(2022年3月25日現在) 亀泉酒造は高知県土佐市の酒蔵です。創業は1897年(明治30年)で、なんと125年もの長い間日本酒造りをしている歴史ある酒蔵なんです! ※画像:亀泉酒造公式サイトより(2022年3月25日現在) 亀泉酒造のある土佐市は、高知県のちょうど真ん中あたりに位置し、高知市内からは車で30分ほどの場所にあります。 仁淀川と太平洋が合流する場所にある「波介川」の水を使用していることもあり、司牡丹「仁淀ブルー」同様、水質の良い仕込み水を使用しているのが特徴です。 代表銘柄は「亀泉」で、香り高くキレ味のある飲み口が特徴の日本酒です。その名前の由来は、江戸時代の参勤交代の頃から「どんな干ばつがあっても枯れることのない万年の泉」と呼ばれる美味しい湧き水を使用していたことから。 そんなイメージもしながら飲むとより美味しさが増すかもしれません。 美味しい飲み方 ※画像:亀泉酒造公式インスタグラムより(2022年3月25日現在) そんな「亀泉酒造」が作る「純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24」を見てみると、まずびっくりするのがそのラベルです。 最近の日本酒はラベルのデザインをスタイリッシュだったりオシャレだったりにすることが増えてきていますが、「純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24」はなんとそのスペックを大胆にも手書きで記したラベル。一瞬「サンプル品が間違ってここにあるのかな?」と思ってしまうほどですが、ビジュアル面で勝負しないということはそれだけ酒質と味に自信があるということなのでしょう。 「CEL-24」ということばが聞き慣れないかと思いますが、これは「純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24」に使用されている酵母の名前です。「CEL」という酵母の中で24番目に作られたという意味ですね。 この「CEL」というのは高知県工業技術センターが開発した独自の酵母で、フルーティーで柔らかな味わいが特徴です。なので、今後「CEL-●●」と書かれた日本酒に出会ったら、「高知県のお酒でフルーティーな味なんだな」とイメージできるようになりますね! さて、そんな「純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24」はどのような味なのでしょうか。 完熟したリンゴや洋梨・パイナップルの香りが特徴的で、最初のひとくち目はなめらかに感じますが、後半はシャープな印象。口に広がるジューシーさがまるでワインのような味わいです。しかし中盤からは若干の苦みが後味を引き締めてくれます。 そのため、普段あまり日本酒を飲まない方や日本酒に苦手意識のある方でも飲みやすく、そのフルーティーさに「本当に日本酒なの?」と驚かれるかもしれません。 フルーティーな香りを引き出すこと、そしてジューシーで爽やかな甘味と酸味を活かすために温度は10~15℃くらいで飲むのがおすすめです。特に今くらいの春の時期に湾曲したグラスで飲むことでより華やかな気分になることができますよ! 合わせる食事はリンゴとフレッシュチーズを合わせた前菜のような爽やかさのあるもの、あるいは高知県産の海産物×土佐名物の文旦のサラダなどが合うのではないでしょうか。和食というよりは、洋風の食事や、バルのような軽食などに合わせるほうがマッチする印象です。 特に日本酒はその土地の郷土料理や特産物と合わせることで、その地方の特徴を知ることにもつながりますし、やはり同じ土地のものを合わせると不思議と美味しくなるようにできているんですよね。「純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24」と高知名物で、そんな「郷土マリアージュ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。 【DATA】純米吟醸酒 原酒 亀泉CEL-24 酒質:純米吟醸酒 日本酒度:-16 酸度:1.7 アミノ酸度:1.0 アルコール分:14% 精米歩合:50% 容量:300 mL/720mL/1,800mL ※亀泉酒造公式サイトのパッケージ画像より(2022年3月25日現在) 【参考】 亀泉酒造公式サイト 【注意事項】 ・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。 ・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。 ライター紹介🍶 松本果歩 恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、 社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。 お酒好きが高じて国際唎酒師の資格を取得、日本酒のお店でも働いています。 Twitter:@KA_HO_MA 日本酒をもっと知りたい人におすすめの書籍や資格情報 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする 日本酒を知る・学ぶ もう二度と味わえない?ワインを取り巻く環境変化が及ぼす影響 日本酒の唎酒ってどうやるの?お酒がもっと楽しくなるプロの技 ー木曜日は日本酒で乾杯 最終回ー