「日本酒って、飲めばおいしいけど、どうやって選べばいいのかわからない!」
そんなあなたに向けて、まずは第一歩!日本酒は大きく分けると2つの種類あることを前回ご説明しました。(詳しくはこちらの記事から:「英語でわかる!『普通酒』ってどんな日本酒?『普通じゃない日本酒』とは?」)
今回の記事では、もう一歩踏み込んで、日本酒を香りや味をベースにして、4つに分けることができるというお話をしたいと思います。2種類に分けることから4種類に・・・。「一気に倍になっちゃったけど、わかるかな?」と心配になってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。「日本酒オタクのあゆみせんせい」こと、国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠の私、藤代あゆみが、シンプルにわかりやすくご説明します。ぜひ最後までお付き合いください!
あなたはどんな日本酒を飲んだことがありますか?まるでお水のように、すいすい飲めてしまうものだったでしょうか。それとも、ちょっと強いけど、しっかり味わえて、ゆっくりちびちびと楽しめるものでしたか?
日本には、なんと、1000以上の日本酒の酒蔵 があるのです!それぞれの酒蔵さんが、個性を活かして、おいしい日本酒を造っているんですね。こんなに酒蔵があること知れば、あなたが飲んだ日本酒との出会い、一期一会で素敵に思えてきませんか。一方で、こんなに酒蔵さんがあると、「どうやって選べばいいんだろう・・・」と頭を抱えてしまうかもしれませんね。
すべての日本酒の香りや味をきっちりと分けることはできませんが、それぞれどんな感じの香りなのか、味なのか、といった特徴を4つに分類する方法があります。
日本酒の香りや味をベースにして、4つに分ける方法を日本酒のプロ、唎酒師(国際唎酒師も含む)の間では「香味特性分類(4タイプ)」とか、略して「4タイプ分類」などと言っています。(これは、NPO法人日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)という、唎酒師などの民間資格を認定している団体が見つけたものです!さけぱるの運営もSSIがしています。)
また難しい言葉が出てきてしまいましたが、鼻で感じる「香り」と、舌で感じる「味」を軸にして、日本酒を4つに分けてみよう!というものです。
1. 薫酒(くんしゅ)
2. 爽酒(そうしゅ)
3. 醇酒(じゅんしゅ)
4. 熟酒(じゅくしゅ)
これらは、香りが高い/低い、そして、味が複雑/シンプルということを基準にして、日本酒を分けているものです。香りが高い=いい香り、ではありません。あなたがいい香りだと思っても、そう思わない人だっているのです。ですから、ここでの「香りが高い」というのは、たとえば日本酒の瓶の蓋を開けた瞬間にふわっと香りがするようなもののこと。また、味が複雑なんて聞いてしまうと、なんだかもやもやする複雑な気持ちになるのかな、なんて思ってしまうかもしれませんね。でもここでは、味の話なので、「味が複雑」というのは、すごく簡単に言ってしまえば、味が濃いとか、しっかりしている、そんな風に思ってもらって大丈夫です。
この4タイプ、漢字の見た目はかっこいいけれど、日本酒についてこれから知ろうと思っている人には、やっぱり難しい説明になってしまいましたね・・・。そんなときは、英語も使って理解を進めると、とてもわかりやすくなるのです!
1. 薫酒(くんしゅ):Aromatic Sake
薫る酒と書いて「薫酒」。読んで字のごとく、よく香る日本酒ですね!英語でも”Aromatic Sake”(アロマティック・サケ)といいます。これは、比較的わかりやすい日本酒のタイプの一つです。フルーティーで華やかな香りが特徴で、この薫酒が入ったお猪口やワイングラスなどを顔に近づけるだけで「わあ、いい香り!」とつい笑顔になってしまうでしょう!味の方はというと、シンプルなので、飲みやすく、軽やかなところがポイントです。外国の方が、薫酒を飲むときは、よく”fruity”(フルーティー)や”flowerish”(お花のよう)と英語で表現されています。
2. 爽酒(そうしゅ):Refreshing Sake
爽やかな酒と書いて「爽酒」。こちらも読んで字のごとく、爽やかに飲める日本酒です。英語では”Refreshing Sake”(リフレッシング・サケ)といいますが、リフレッシュするというところもポイントの一つ。すごく香りが高いわけではないけれど、シンプルなので飽きのこない味です。そして、英語でいうところのリフレッシュですが、油っこい食べ物を食べながら飲むと、口の中がさっぱりするので、どんな料理にも合わせやすいのが特徴です。また、”regreshing”(リフレッシング)という言い方だけでなく、英語では”airy”(エアリー/空気のよう)とか、”light”(ライト/軽い)、”simple”(シンプル)なんて表現されています。
今回は、味がシンプルな日本酒で、香りが高いもの(薫酒)と低いもの(爽酒)について、ご説明しました。あとの二つは?と気になってきたところだと思いますが、つづきは後編で!どうぞお楽しみに!
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【参考】
・『新訂 日本酒の基』(NPO法人FBO)
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藤代あゆみ
平成元年、東京生まれ、共立女子大学文芸学部劇芸術コース卒。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)公認国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠。「日本酒オタクのあゆみせんせい」として、シンガポールを中心に、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米など世界20カ国以上の人に向けて日本酒を広める活動を経験。好きな漫画は『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(平尾アウリ著、徳間書店)
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