醤油の世界(前編)

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私たちが日々使っている“醤油”。
今回はその醤油に焦点を当ててみましょう。

日本が誇る調味料!醤油の世界

今回、職人醤油さまより、6種類のお醤油をいただき、ライターの方たちと実際に食べ比べをしてみることにしました。

職人醤油とは?

すべてを100mlの小瓶で統一している醤油の専門店です。日本各地の400以上の醤油蔵を訪問してセレクトされています。白醤油や甘い醤油、木桶仕込みの醤油など、地域とつくり手の個性を気軽に楽しんでもらうことをモットーに「職人醤油」を運営されています。


前橋本店
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〒371-0013 群馬県前橋市西片貝町5-4-8
TEL 027-225-0012


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〒104-8130東京都中央区銀座3-6-1 松屋銀座 地下2階
TEL 03-3567-1211(大代表)

その他雑貨店などでもお取り扱いがあります。ショップリストはこちら
オンラインショップも分かりやすく、使いやすいのでお勧め!

いただいたお醤油のラインナップ

画像左から順番に

  1. ヤマシン 白醤油(ヤマシン醸造 愛知県碧南市)白
  2. 龍野本造り うすくちしょうゆ(末廣醤油 兵庫県龍野市)淡
  3. ヤマキュー さしみ醬油(久保醸造合名会社 鹿児島県鹿屋市)甘
  4. 国産有機醤油(足立醸造 兵庫県多可郡)濃口
  5. 鶴醤(ヤマロク醤油 香川県小豆島町)再仕込
  6. 尾張のたまり (丸又商店 愛知県武豊市)溜
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薄口・濃口はよく聞くけれど、他にもこんなに種類が!

お醤油について知ろう ~日本酒との類似点~

Ⅰ. お醤油にもタイプがある

日本酒は大きく分けると4タイプがあります。

お醤油にもタイプがあり、大きく分けて6タイプあります。こちらのわかりやすい画像は職人醤油さんのHPからお借りしました。

1.白・・・醤油の中で最も色の淡い琥珀色をした醤油。
炊き込みごはんやお吸い物など彩り豊かな仕上がりに。

今回、白に該当するのはこちら!
ヤマシン 白醤油(愛知県)白
創業200年超の白醤油の専業メーカー。醤油の色をつけずに素材を活かす醤油で料理に使いやすい。
お吸い物や炊き込みご飯、オリーブオイルとの相性も良いのでパスタにも。職人醤油さんのHPより抜粋。

 

2.淡口・・・西日本でお馴染みの淡い色の醤油。
煮物やお吸い物など素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。

今回、淡口に該当するのはこちら!
龍野本造り うすくちしょうゆ(末廣醤油 兵庫県龍野市)淡
何に使っても失敗しない淡口醤油です。少量で塩味が効いて色もキレイに。
だしや素材そのものを生かした上品な料理に仕上がります。淡口醤油の未経験者は一度はお試しを。職人醤油さんのHPより抜粋。

 

3.甘口・・・九州や北陸などでは一般的。
海沿いの地域ほど甘みが強いなど、それぞれの土地に根付いた醤油。

今回、甘口に該当するのはこちら!
ヤマキュー さしみ醬油(久保醸造合名会社 鹿児島県鹿屋市)甘
タレのようにとろっとしていて、鹿児島県特有の強い甘みが特徴。こっくり甘い醤油で刺身を食べたい方に。
重厚感のあるくせになる味わいは、地元はもちろん県外の方にも人気。職人醤油さんのHPより抜粋。

 

4.濃口・・・一般的な醤油で、流通量の8割はこれ。
新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。

今回、濃口に該当するのはこちら!
国産有機醤油(足立醸造 兵庫県多可郡)濃口
高さ4メートルの巨大な木桶仕込み。全量を木桶仕込みにこだわる蔵元は海外にも目を向けて果敢にチャレンジしています。
国産の有機大豆・有機小麦を使用で万能的に使えます。職人醤油さんのHPより抜粋。

 

5.再仕込・・・熟成期間の長い濃厚な醤油。
醤油で醤油を仕込む製法で、濃口醤油に比べて2倍の原料と2倍の期間を要する。

今回、再仕込に該当するのはこちら!
鶴醤(ヤマロク醤油 香川県小豆島町)再仕込

約2年の熟成を経た醤油をもう一度桶に戻して、再び仕込みをしてさらに2年。深いコクとまろやかさを極限まで追求した醤油。
バニラアイス、刺身、わさび醤油でお肉にも。職人醤油さんのHPより抜粋。

 

6.溜・・・大豆を主原料に仕込水を少なめにしてうま味を凝縮させた醤油。
熟成期間も長く独特の香りを有することも。

今回、溜に該当するのはこちら!
尾張のたまり (丸又商店 愛知県武豊市)溜
大豆と塩だけの溜。小麦は一切使っていません。仕込み水が少なく熟成期間が長い溜の中で、一番濃厚な味わい。
塩味もうま味もバランスが取れています。熱を加える料理にも。職人醤油さんのHPより抜粋。

Ⅱ. 各地に醤油蔵がある

今回いただいたお醤油を調べてみると、それぞれ愛知県・香川県・兵庫県・鹿児島県で造られていました。
同じ都道府県でも蔵元により、薄口・濃口と、作っているお醤油の種類が違っていたり
木桶を使った昔ながらの方法で造られる蔵元や、密閉式タンクでシステマティックに造る蔵元もあります。

関西では薄口、九州では甘口がよく流通していたり、地域で愛されるタイプや造られやすいタイプの傾向はあるにしても、
醤油の魅力の一つは、日本酒と同様に、
その造り手が何処を目指しているか、何を大切に思い造っているか。蔵元さんの個性が強く出るところが魅力です。

Ⅲ. 造り方 ~麹を使った発酵食品~

お醤油は下記のような手順で造られます。

では、日本酒の造り方も見てみましょう。

①原料処理
精米を行ったり、米に必要な水分を吸わせる「浸漬」やお米を蒸すなどする工程です。

②製麹
お米のデンプンを糖化させるのに必要な「糖化酵素」、を供給してくれる「麹菌」を、蒸したお米に繁殖させます。

③酒母(酛)造り
「糖」をアルコールと炭酸ガスに変えてくれる「酵母」を増殖させる工程です。

④醪造り
「糖化」と「本格的なアルコール発酵」を行う工程です。

⑤搾りから瓶詰
酒粕(個体)とお酒(液体)に分離する工程です。

⑥完成!
その後、濾過や火入れ、貯蔵などを行い完成になります。

こうして比べてみると、日本酒と醤油は同じ醸造&発酵食品ということもあり、造り方がかなり近いことがわかります。
同じ発酵食品同士、ペアリングの相性も良いのですが、それぞれに味わいのタイプがあるため、
どのタイプ同士を組み合わせるのが良いのか、次回実際に試してみましょう。
次回はライターたちの「お醤油実食遍」です。

【参考】
・『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』 出版:NPO法人FBO
・職人醤油(https://s-shoyu.com/
【注意事項】
・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。
・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。

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合わせて「醤油の世界(後編)~お醤油と素材のペアリング~」の記事もぜひお読みください!

ライター紹介🍶

クロ
最近、日本酒の美味しさにハマりだしたタヌキ。スピリッツ・ワイン・ビールetc…お酒はなんでも大好き。
ただし、2杯が限界。アルコールの神に愛されない激弱体質。そのほかチョコレートにも目がない。

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