HOME 記事 日本酒を知る・学ぶ 日本酒の裏ラベルの用語を簡単解説 日本酒の裏ラベルの用語を簡単解説 2021.11.02日本酒を知る・学ぶ 日本酒の裏ラベルには、なにやら難しい言葉が並んでいて、「よくわからない」って思ったことありませんか? 今回は「①日本酒度」「②酸度」「③アミノ酸度」について解説します! ①「日本酒度」って、結局「比重」のことなんです 日本酒の裏ラベルに書いてある「日本酒度」は甘口・辛口を表します。水の比重より重い(糖分が多い)ものは「-」、軽い(糖分が少ない)ものは「+」で表しています。 甘口・辛口の目安にはなりますが、比重しか表さないので、実際に飲んだときの感じとは違うことがあります。特にフルーティーな吟醸酒や、旨味成分の多い純米酒などは、+表記でも甘く感じたり、-表記でも辛く感じたりするので、「日本酒度」はあくまでもご参考程度に。 ②「酸度」は、高いと濃厚、低いと淡麗に感じる傾向 日本酒に含まれる酸の量を表しています。日本酒に含まれる酸は、乳酸、コハク酸、リンゴ酸などです。酸度が高いほど濃醇に感じ、酸度が低いほど淡麗に感じる傾向があります。 ③「アミノ酸度」も、高いと濃厚に、低いと淡麗に感じる傾向 「アミノ酸度」は日本酒に含まれるアミノ酸の量で、アミノ酸度が高いほど濃醇に感じ、低いほど淡麗に感じられます。ワインやビールよりアミノ酸(旨味成分)を多く含むのが日本酒の特徴です。 日本酒を注文するときは、ラベルに書いてある数値に捉われすぎないことが大切。自身の感覚で味わい、好みの特徴をお店の人に伝えることが、美味しい日本酒を入手する秘訣です。 唎酒師がいるお店では、「どんな味わいか一言で教えて」と聞いてみましょう。きっと分かりやすく教えてくれるはず! ラベルに書かれたいろんな言葉についてのQ&A Q1)「普通酒」って、何ですか? A1)「純米吟醸酒」や「本醸造酒」などの特定名称酒の条件から外れたものが通称「普通酒」ですが、実はラベルには「普通酒」とは書かれていません。日本酒製造数量全体のうち普通酒は65%以上。特定名称酒表示がどこにもないものは普通酒と考えられます。 Q2)肩ラベルの「特撰」「上撰」「佳撰」の意味を教えて。 A2)1943年に定められた日本酒の級別制度の名残といわれています。この制度では味わいを考慮する基準がなく品質の判定はできなかったのですが、消費者は「値段が高い特級は品質が高く、安い二級酒は品質が落ちる」と考えていました。 けれども昭和後期、「級別表示は必ずしも味を反映しない」と消費者が気付き始めました。そして日本酒は、1992年に今のような特定名称酒による分類へと変わりました。 消費者からは「日本酒の選び方がわからなくなった」との声も多かったので、蔵元が独自に、特撰・上撰・佳撰などと階級を付けたのです。ですから特撰・上撰・佳撰と書かれた日本酒は、各蔵元によって価格も味わいの特徴も違います。 Q3)ラベルに書かれた「BY」ってどういう意味ですか? A3)BYとは、Brewery Year(ブリュワリーイヤー)の略で、酒造年度と呼ばれ、ラベルやボトル、酒販店のPOPや飲食店のメニューでも見かけます。日本酒では、7月1日から翌年6月30日までを、BYと呼びます。例えば、「29BY(平成29酒造年度)」なら、平成29年7月1日から平成30年6月30日の間に造られたという意味です。 【参考】 ・『新訂 日本酒の基』『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』(NPO法人FBO) 【注意事項】 ・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。 ・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。 ライター紹介🍶 さけぱる編集部 唎酒師の認定団体であるSSIの広報室所属アラサーチームで構成されている、さけぱる編集部です。私たちのような世代の皆さまが、お酒をもっとお洒落に気軽にスマートに楽しめるよう、たくさんの素敵な情報をお届けできるよう頑張ります🍶 日本酒をもっと知りたい人におすすめの書籍や資格情報 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする 日本酒を知る・学ぶ 11月1日は「本格焼酎&泡盛の日」 ワインと料理の相性入門