酒器で日本酒の味わいはどう変わる?

日本酒は、酒器の材質や形、大きさ、厚みなどによって「同じ日本酒」と思えるほど味わいが変わるって、ご存じでしたか? また、お気に入りの酒器を使い分ければ、いつもの日本酒も違った雰囲気が味わえます。香味×演出で、あなただけの楽しみ方をしてみませんか?

飲むための酒器いろいろ

◆枡

日本では、明治時代まで尺貫法が使われていました。枡は日本酒を計量するための道具として使われていたのです。昭和30年代以降、日本酒を飲む酒器として使われ始めたようです。

◆猪口(ちょこ)

日本酒を飲むための小さな酒器。「猪口」は、ちょっとしたものとか、安直などを示す「ちょく」が転じたなど、諸説あります。

◆蛇の目の唎猪口(じゃのめのききちょこ)

底に青い二重丸の模様が入った酒器。主に日本酒の色を見極める道具として、杜氏や蔵人が使用します。1911(明44)年に国立醸造試験場が開催した「第1回全国新酒鑑評会」
の審査員用として開発されたそうです。

◆ぐい呑み

ぐい呑みの語源は、「ぐいっと呑める」「ぐいぐい呑める」など。猪口よりも大きな酒器全般を指します。

◆切子

ガラスに装飾を施したグラス。江戸切子(東京都)、薩摩切子(鹿児島県)が特に有名で、とても高価です。

◆ワイングラス

「日本酒にワイングラス?」って思う方もいるかもしれませんが、最近、日本酒用で使う人も増えています。ワイングラスは主にボルドー型とブルゴーニュ型と呼ばれるものが有名ですが、前者は、濃醇な味わいを引き出し、後者はより香気を引き出してくれるそうです。

◆フルートグラス

主にスパークリングワインに用いられ、活性清酒(発泡性清酒)にもよく使われるようになりました。細長いので、炭酸ガスが抜けにくいことと、少ししか口に入ってこないので、味わいを軽やかに感じやすいという特徴があります。

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お酒のタイプによって、あなたのセンスで酒器選びをしてみませんか?
いつもと違った楽しさが生まれますよ。

4タイプ別、理想の酒器をご紹介


ポイントは何といっても、フルーティーな香りを引き出す形状を選ぶこと。ワイングラスなど湾曲性の高いものや、上に広がったラッパ型が適しています。

熟酒は琥珀のような色調の映える透明グラス、白の磁器や内側が金塗りの漆器などがぴったり。複雑な熟成香を生かすなら、ブランデーグラスのような形が理想です。初めて飲む人にはショットグラスなどが良いかもしれません。
 
しっかり冷やして飲む爽酒は、温度が上がらないうちに飲みきれる小振りな酒器が合います。また、フルートグラスもグッド。さらに、爽酒の爽やかな印象を強調するには、切子など涼やかに装飾された酒器がぴったりです。

イメージ的にも、陶器や磁器製の酒器がふさわしいでしょう。また、濃醇な味わいを生かすなら、大きくて厚みのあるものが理想的。ワイングラスならボルドー型グラスがふさわしいです。

 

注ぐための酒器いろいろ

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徳利と銚子の違いって、知ってましたか?

◆徳利と銚子

日本酒は1升瓶(1.8ℓ)という大型ボトルが主流で、飲むための酒器に注ぎづらいので、注ぐための酒器があります。
現在、徳利と銚子は同じ意味で使われていますが、もともと銚子は神事で使用される高級酒器、徳利は醤油や酢を保存するための壺を指していました。江戸時代以降、庶民が日本酒を飲むようになると、徳利のほうが湯煎しやすく気軽で使いやすいと、徳利が広まりました。

 

◆片口

片口とは、表面積が広く空気との接触面が広い酒器です。和の風情にあふれ、素敵な演出的ができそう。日本酒の味わいをまろやかにしたり、冷めたすぎる日本酒の温度を上げるなどのメリットもありますが、香りが飛びやすいので注意しましょう。

 

【参考】
・『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』 出版:NPO法人FBO
【注意事項】
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次は「シーンに合わせて選ぶ秘訣」を学びましょう

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さけぱる編集部
唎酒師の認定団体であるSSIの広報室所属アラサーチームで構成されている、さけぱる編集部です。私たちのような世代の皆さまが、お酒をもっとお洒落に気軽にスマートに楽しめるよう、たくさんの素敵な情報をお届けできるよう頑張ります🍶

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