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ー群馬ー利根沼田に見るナイアガラー大利根酒造ー

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群馬県の子どもたちが遊ぶ、地域の特徴が豊かに描かれたご当地カルタがあるのを知っていますか?

豊かな水源と大自然が形作る利根沼田

「滝は吹き割れ 片品渓谷」群馬県の子どもたちに県内の自然・人物・産業・歴史などを学んでもらいたいと1947年(昭和22年)に誕生した「上毛かるた」の中で、群馬県北部に位置する利根沼田地域の豊かな水源と大自然を詠んだ一札です。

この地は、日本百名山に挙げられる赤城(あかぎ)山や武尊(ほたか)山などの山々に囲まれ、日本最大の山岳湿地「尾瀬国立公園」をはじめ、秘湯と呼ばれる宝川温泉、老神(おいがみ)温泉など、豊富な観光資源に囲まれた魅力的なエリアです。

特に、冒頭にご紹介した「吹割(ふきわれ)の滝」は、国の天然記念物に指定されています。浸食されてできたV字の谷に向かって、三方向からごうごうと落下・飛散する滝は、高さ約7メートル、幅約30メートルにもおよび、その壮大さから“東洋のナイアガラ”とも呼ばれます。春先には、尾瀬の雪解け水により水量が増し、整備された遊歩道から圧倒的な水の迫力を肌で感じることができるでしょう。

利根沼田には、この吹割の滝をはじめとする豊富な水資源が存在し、地形や文化、生活、産業など、古くからこの地に住む人々と深くかかわってきました。

時はさかのぼり戦国時代。真田昌幸・幸村率いる真田氏は、現在の沼田市を流れる利根川、片品川、そして薄根川によって形成されたこの地域特有の河岸段丘の地形を利用して、天空の城下町を築きました。沼田城址である沼田公園は、この河岸段丘の断崖絶壁の縁にあり、現在も玄関口であるJR上越線沼田駅との高低差、約70メートルの見事な段差を見下ろすことができます。

また、古来この地は周囲の山々で伐採された木材を川で運ぶための集積地として発展、現在でも田んぼの水や水力発電、渓流釣りにラフティングなど、さまざまな場面でこの豊富な水資源を活用しています。

清らかな尾瀬の雪解け水を大切にする酒蔵「大利根酒造」

この清らかな尾瀬の雪解け水を特に大切に思っている酒蔵の1つに、大利根酒造があります。

大利根酒造は、1902年(明治35年)創業。尾瀬の麓に蔵を構え、尾瀬の雪解け水の恩恵を受ける超軟水の仕込み水と、コシヒカリなどの地元群馬県産の米を使用した地酒「左大臣」を醸します。

敷地内に酒造りの神様である松尾様を祀った石宮がありますが、その碑文には「元文四年」の文字が刻まれています。西暦で言えば1739年、江戸時代中期に当たるそうです。当時からこの土地でできた米の二次加工品として、酒が醸造されていたのでしょう。
昔ながらの酒造りにこだわり工場化をせず、歴史を感じる手仕込み用の道具が現役で活躍する蔵の中は、まるで100年前にタイムスリップしたかのようです。

地酒「左大臣」は、地産地消にこだわり、県外への出荷は数えるほど。もし東京都内などで出会うことができたなら奇跡とされるほど、生産量が少ないといいます。

四蔵で連携し、地元に根差した酒造り

さて、このように水を大切にする利根沼田地域には、四つの酒蔵があります。「水芭蕉」を醸す永井酒造と「誉國光」を醸す土田酒造、「利根錦」を醸す永井本家、そして「左大臣」を醸す大利根酒造です。
この四蔵は、互いに技術提携などの協力をし、「利根沼田 酒蔵ツーリズム」の実施など、それぞれが地産地消やテロワール(土壌・気候風土)など地元に根差した酒造りを行っています。

2021年1月には、四蔵の念願だった酒類の地理的表示(GI)「利根沼田」の指定を受けました。この地域の自然環境と人々、そして日本酒という伝統文化をこの取得によって保護し、利根沼田ならではの味わいを醸し出していくことに、より一層力を入れていくそうです。

この地に足を運び、風土を感じながら味わってほしいとの思いで造られた各蔵のGI利根沼田の酒。利根沼田が誇る東洋のナイアガラを訪れた際には、ぜひ味わってみたいものです。

【文章引用元】
・交通新聞 2021年10月22日発刊『美酒漫遊の旅㊸ 利根沼田に見るナイアガラ』より

【参考URL】

・交通新聞電子版 https://news.kotsu.co.jp/
・大利根酒造 http://www.sadaijin.co.jp/

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さけぱる編集部
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