HOME 記事 ワインを知る・学ぶ タイプを知れば、ワイン選びも簡単! タイプを知れば、ワイン選びも簡単! 2021.09.07ワインを知る・学ぶ ワイン選びは専門家じゃないと難しいって思っていませんか? 実はビギナーでもポイントさえ知っていれば自分で選べるようになりますよ! 「ボルドー」「ブルゴーニュ」「ニューワールド」「オレンジワイン」「ロゼワイン」「シャルドネ」「ピノ・ノワール」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「ソーヴィニヨン・ブラン」などなど… ワインの用語と知ってはいても、一体何のことを指しているのかわからないし、この文字の羅列だけでは、ワインのビギナーには選びにくいですね。 好みのワインがわからないまま、なんとなく雰囲気で選んだりしている人もいるのではないでしょうか? でも、心配はご無用! まずはワインの3つのタイプを知るだけで、好みのワインに出会えたり、新しい出会いがあったりと、ワイン選びがずっと楽しくなるはずです。 季節や料理に合うタイプを選ぶだけで、気軽に、でも存分にワインが楽しめるでしょう。 まずは、ワインのいろいろな分類を知りましょう 自分好みのワイン選びで優先したいのは「香味特性別のタイプ」です。後ほど詳しく解説しますが、まずその前に、よく使用されるワインの分類を知っておきましょう。 ●色合いによる分類 白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン、オレンジワインなど、ワインの見た目、色合いによって分類されます。しかし、これだけでワインの味や香りはわかりませんね。 ●国や地域、生産地による分類 「フランスワイン」のように生産国で分類したり、「ボルドー」「ブルゴーニュ」のように生産する地方の名前で分類することがあります。でも、このような産地から味わいや香りを判別するにはかなり専門的な知識が必要で、ワインのビギナーには向かない分類です。 ●ブドウの品種による分類 「シャルドネ」「カベルネ・ソーヴィニヨン」など、ブドウの品種によってワインの香味も大きく変わります。けれども、ワインビギナーにとってはブドウの品種から香味を理解するのは難しそう。 ●製法の違いによる分類 「スティルワイン」「スパークリングワイン」のように、製法の違いによる分類は、とても範囲が広いので、香味の説明にはあまり役立ちません。 既存の分類の仕方では、ビギナーには香味がわかりづらいということですね。 では、いったいどうすれば自分好みのワインが選べるのでしょうか? 香味特性別のタイプを知れば、ワイン選びは簡単! ワインを香味特性で分類すると、白ワインは「甘口」か「辛口」、赤ワインは「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」に分類することが多いでしょうか。 でも、ここでは、白ワインも赤ワインも ・軽快タイプ ・重厚タイプ ・中間タイプ の3つに分類することをおすすめしています!この分類、ビギナーにもわかりやすいとっても簡単な分類なんです! まずは白ワインから… ●軽快タイプの特徴 ・色合いが淡い(緑色、黄緑色など) ・新鮮な果実の香り(柑橘系果実など) ・甘味や苦みが少なく、爽やかな酸味主体 ・飲み口がスムーズ ●軽快タイプのブドウ品種 ・甲州種、ミュスカデ種、ソーヴィニヨン・ブラン種など ●軽快タイプの生産地 ・冷涼な気候の地域など ●製法など ・木樽を使用しない、または使用期間が短い、熟成期間が短いなど ●重厚タイプの特徴 ・色合いが濃い(黄色、黄金色など) ・完熟した果実の香り(トロピカルフルーツなど) ・甘味、酸味、苦みが明確 ・飲み口に厚みがある ・アルコール度数が高い ●重厚タイプのブドウ品種 ・シャルドネ種、ヴィオニエ種など ●重厚タイプの生産地 ・温暖な気候の地域など ●製法など ・木樽(特に新樽)を使用、熟成期間が長い、優れたヴィンテージのブドウを使用した場合など ●中間タイプ ・軽快タイプのブドウ品種を温暖な気候の地域で栽培したり、重厚タイプのブドウ品種を冷涼な気候の地域で栽培したりすると、中間タイプになることがあります。 ワインリストやラベルから、ブドウ品種や産地、木樽熟成の有無などから3つのうちのどのタイプなのかを想像しながら、選んでいけたらいいんですね! では次に赤ワイン… ●軽快タイプの特徴 ・色合いが淡い(紫色など) ・新鮮な果実の香り(イチゴやブルーベリーなど) ・渋みが少なく、爽やかな酸味主体 ・飲み口がスムーズ ●軽快タイプのブドウ品種 ・ガメイ種、マスカット・ベイリーA種、ピノ・ノワール種など ●軽快タイプの生産地 ・冷涼な気候の地域など ●製法など ・木樽を使用しない、または使用期間が短い、マセラシオン・カルボニック※1を用いた場合など ●重厚タイプの特徴 ・色合いが濃い(暗紅色など) ・凝縮感が高い果実の香り(カシス、プラムなど) ・チョコレート、バニラのような多様な香り ・味わいは渋みや酸味が明確 ・飲み口に厚みがある ・アルコール度数が高い ●重厚タイプのブドウ品種 ・カベルネ・ソーヴィニヨン種、シラー種など ●重厚タイプの生産地 ・温暖な気候の地域など ●製法など ・木樽(特に新樽)を使用、熟成期間が長いマロラクティック発酵※2を行った場合、優れたヴィンテージのブドウを使用した場合など ●中間タイプ ・軽快タイプのブドウ品種を温暖な気候の地域で栽培したり、重厚タイプのブドウ品種を冷涼な気候の地域で栽培したりすると、中間タイプになることがあります。 優れたヴィンテージだったり、熟成期間の長さが味わいに影響してくるみたいですね! 最後にその他のワイン… スパークリングワインやロゼワインも、主に「軽快タイプ」と「重厚タイプ」の2つに分類できます。スパークリングワインでは、イタリアのスプマンテなどは軽快タイプ、フランスのシャンパーニュなどは重厚タイプになることが多いです。 ワイン注文の際は、この香味特性別のタイプを活用してみてくださいね。ワインリストを見てもタイプがわからないときは、店員さんに聞いてみるといいですよ。ワインコーディネーターやソムリエのいるお店なら、すぐに応じてくれるはず! いろいろなワインを飲み比べて、どのタイプなのかなと探ってみましょう。ワインの楽しみがグ~ンと広がりますよ。 ※1マセラシオン・カルボニック 渋味や苦味などの抽出量が少なく、軽快な香味に仕上げるために、大型のステンレスタンクに黒ブドウを粉砕せず房ごと投入し、発酵中に生成する炭酸ガスを充満させ密閉する製法があります。ボージョレー・ヌーヴォーが、この製法で造られるワインの代表であり、炭酸ガス浸漬法、フランス語ではマセラシオン・カルボニックと呼ばれます。 ※2 マロラクティック発酵 「圧搾」後、赤ワインは一般的に「マロラクティック発酵」を行います。「マロラクティック発酵」とは、「マロ=リンゴ酸」「ラクティック=乳酸」を示すとおり、ワイン中のリンゴ酸が乳酸菌によって乳酸と微量の炭酸ガスに分解することを指します。リンゴ酸由来の刺激が減ることで、ワインの味わいがまろやかになるとされます(減酸発酵とも呼ばれます)。 また、バターなどの乳製品を思わせる香りが生じ、複雑性が増すともされます(白ワインでも行う場合があります)。 【参考】 ・『酒仙人直伝 よくわかるワイン』 出版:NPO法人FBO ・『新訂 ワインの基』出版:全日本ソムリエ連盟(ANSA)/NPO法人FBO 【注意事項】 ・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。 ・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。 ライター紹介🍶 さけぱる編集部 唎酒師の認定団体であるSSIの広報室所属アラサーチームで構成されている、さけぱる編集部です。私たちのような世代の皆さまが、お酒をもっとお洒落に気軽にスマートに楽しめるよう、たくさんの素敵な情報をお届けできるよう頑張ります🍶 ワインをもっと知りたい人におすすめの書籍や資格情報 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする ワインを知る・学ぶ 日本酒初心者にも!プロになるにも!日本酒のおすすめ資格 9月9日は重陽の節句。読み方は?食べ物や飲み物の風習はあるの?