HOME 記事 日本酒を知る・学ぶ 日本酒まずはここから! 1銘柄1豆知識 ~司牡丹 仁淀ブルー(司牡丹)~ 日本酒まずはここから! 1銘柄1豆知識 ~司牡丹 仁淀ブルー(司牡丹)~ 2021.12.21日本酒を知る・学ぶ 『日本酒にあまり詳しくない方にとっては、「銘柄や酒蔵がどうっていうのがわからないから、日本酒って何だか手を出しづらい」と敬遠してしまうかもしれません。 「日本酒まずはここから!」のコーナーでは毎回おすすめの銘柄をひとつご紹介します。これを読んで、「1銘柄1豆知識」から知っていることを増やしてみませんか? いきなり製法について覚えたり杜氏さんの名前を覚えたりする必要はないのです。まずは視覚から、そして特徴的なこだわりなどを知ることでその日本酒に対して「飲んでみたいな」と思っていただけたら嬉しいです。 今回ご紹介する「司牡丹 仁淀ブルー」の特徴は、「高知県の、日本一水のきれいな川」にあります。 「日本一水のきれいな川」の伏流水を使用した日本酒 銘柄や味わいがよく分からなかったとしても、「ジャケ買い」が楽しめるのが近年の日本酒の楽しいところです。酒蔵さんや銘柄ごとに個性的なラベルのものが増えてきています。 「司牡丹 仁淀ブルー」は透き通るような美しい薄ブルーの瓶に、仁淀川(によどがわ)に飛び込むカワガラスの写真が非常に幻想的で、そのファーストインプレッションだけでも「この日本酒はきっとすっきりしているのだろうな」とイメージできますよね。 仁淀川は、高知県にある全長124kmの川で、「風土記」には「神々に捧げるための酒造りにこの清水を用いた」と記されており、「神の川」と呼ばれているのだとか。 さらに仁淀川は、2011年(平成23年には、国土交通省の「全国165河川2010年水質ランキング」で1位となり、「日本一水のきれいな川」として有名になりました。 その美しく神秘的な青い水面は「仁淀ブルー」と呼ばれ、観光名所としても人気を博しています。 そんな仁淀川の伏流水を使用した日本酒が、司牡丹酒造の「司牡丹 仁淀ブルー」。 司牡丹酒造の蔵は、仁淀川の中流域の佐川町というところにあり、仁淀川の伏流水が豊富に湧き出す場所でもあります。仁淀川の水はその美しさはもちろん、やわらかい中にナチュラルな甘みを潜めた軟水であることから、その味にも定評があります。そんな水を原料に使用していると聞いただけでも飲んでみたくなりますよね。 水だけではなく、酵母にもこだわっています。使用されているのは「7号酵母」。7号酵母自体は多くの日本酒に使用されるものですが、司牡丹酒造では7号酵母の良さを引き出すために、火入れを一回のみにしています。そうすることで、より清冽な香りが引き出されています。 司牡丹酒造とは 司牡丹酒造は高知県高岡郡佐川町にあります。江戸幕府が開かれた1600年頃から日本酒造りを行っている歴史ある酒蔵です。社名の「司牡丹」の由来には、東洋では牡丹が「花の王様」と言われていたことから、その牡丹をさらにつかさどる「king of kings」となりたいという願いが込められています。 高知県のお酒は「土佐の辛口」と呼ばれることが多いですが、まさにその言葉を体現するかのようなキレのある日本酒が特徴です。伝統と格式がありながらも、ホームページには「酒飲みの言い訳 365日、明日も飲めるゼヨ!」と365日お酒を飲むための言い訳コラムが記されているなどユニークな一面もあります。 司牡丹酒造はこれまで多くの賞を受賞しており、「司牡丹 仁淀ブルー」は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2015」そして「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2016」の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード メイン部門 金賞」を2年連続で受賞。ほかにも、司牡丹酒造として「2021年度 全米日本酒歓評会」「全国新酒鑑評会」「SAKE COMPETITION 2019」「スローフードジャパン燗酒コンテスト」など数々の賞を受賞しています。この受賞歴の多さも司牡丹酒造の知名度を上げた理由なのです。 美味しい飲み方 「司牡丹 仁淀ブルー」は約10℃ほどに冷やして飲むのがおすすめです。それ以下に冷やしすぎるとキレのよさだけが際立ってしまうので、もったいない。最初グラスに注いだ時が10℃くらいになるようにして、だんだん飲んでいるうちに温度があがっていくと様々な味わいが現れてくるのを楽しみましょう。繊細な水質の良さを味わうためにフチの薄いグラスで楽しむのが良いですね。 味は軽快なお米の味が中心で、そこに甘い青りんごやかんきつ類の風味が加わります。飲み口は柔らかいものの、後味はびしっと引き締まるドライな飲み心地で、これは司牡丹酒造の日本酒に共通する特徴です。 あわせる料理はどんなものでもOK、食中酒として幅広く楽しめます。よりおすすめなのは雪解け水で育ったミネラル分豊富な山菜類、あるいは水にこだわった蕎麦など、すっきりとした食材でしょうか。さらに、どこかに高知県の柚子を使用すると同郷のペアリングが粋ですね。 【DATA】司牡丹 仁淀ブルー 酒質:純米酒 日本酒度:+6前後 酸度:1.7前後 アルコール分:16度以上17度未満 原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米) 原料米(精米歩合):酒母・麹米65%/掛米:65% 価格:1,430円(税込) 容量:720mL / 300mL ※2021年12月20日現在(司牡丹株式会社公式HPより) 【参考】 司牡丹酒造株式会社 【注意事項】 ・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。 ・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。 ライター紹介🍶 松本果歩 恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、 社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。 お酒好きが高じて国際唎酒師の資格を取得、日本酒のお店でも働いています。 Twitter:@KA_HO_MA 日本酒をもっと知りたい人におすすめの書籍や資格情報 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする 日本酒を知る・学ぶ ワインに使われる酸化防止剤(亜硫酸塩)を、やさしく解説! 醤油の世界(前編)