HOME 記事 ワインを知る・学ぶ ワインと料理の相性入門 ワインと料理の相性入門 2021.11.04ワインを知る・学ぶ 「ワインと料理のマリアージュ」なんて、ちょっと聞いたことはあるけれど、実際どんな意味なのか、なんとな~くしかわからない人も多いのでは? ここではわかりやすく解説します。 相性判断のセオリーについて 昔からワインは料理と一緒に楽しむお酒でしたが、近頃は、「ワインと料理のペアリング」や「マリアージュ」などと言って、ワインと料理の相性はますます注目の的。となると、「魚料理には白ワイン。肉料理には赤ワイン」だけでなくて、ワンランク上の相性判断のセオリーも知りたくなります。 レストランでもワインと料理の相性がいろいろ提案されていますが、相性の良し悪しの判断はいつの時代も悩ましい問題。 そもそも相性とは、人と人の関係を表すときに使うことが多いのですが、性格や価値観が違っても円満な夫婦がいるように、説明するのが難しいもの。ですから、ワインと料理の相性も自由に考えて気軽に楽しみましょう。とはいえ、何かしらの手がかりは必要なので、ここでは相性判断の基本的な考え方をご紹介。参考にして、あなたにとっての良い相性を探してみてください。 相性のいい組み合わせとは? ワインだけでなく、お酒と料理の相性が良い組み合わせには、次の5つをチェックしておきましょう。 ①同調 お酒と料理が同じような香りや味わいだと調和するという、一番基本的な相性。「違和感がない」「一体化する」「バランスがよい」と言うこともあります。同調は、一つの要素だけでなく、「香り」「食感」「味わい」など、いくつかの要素を重ねる方が好相性です。 ②補完 生牡蠣にレモンを搾ったり、肉料理に黒コショウをかける代わりに、レモンのように爽快な味わいの白ワインを合わせたり、黒コショウのようにスパイシーな香りを持つ赤ワインを合わせる相性。料理に欲しい味わいをお酒で補う考え方です。 ③ウォッシュ お酒に含まれるアルコール、酸味、苦味、渋味が、口内に残る料理の油脂分などを洗い流すという相性。食事が進む組み合わせともいえます。 ④生臭みを抑える 魚介類や海藻料理特有の生臭みなどを抑え、素材の良い味わいを引き出す相性。これは原料に麹を使用する日本酒などに多い相性で、食事が進む組み合わせといえます。日本のワインで甲州種は鉄分が少ないため魚介類の生臭みを引き出しにくく、魚介類と相性の良い白ワインといわれています。 ⑤マリアージュ 香りや味わいの特徴が異なるお酒と料理を合わせた時に、新しい風味が生じるという意外性のある相性。 自分でもいろいろと試して、自分なりのセオリーが発見できるといいですね。 相性が悪い組み合わせとは? ワインだけでなくお酒と料理の相性が悪いとする理由は、次の3つをチェックしておきましょう。 ①平行 お酒と料理を組み合わせても、何の反応もみられない相性。 ②反発 お酒だけ、料理だけでは感じない不快な香り、食感、味わいなどが生まれる相性。「白ワインとカズノコ」「渋みの強い赤ワインと、カツオの刺身の血合いの部分」などがその例です。 ③バランスが悪い 料理の味わいが強すぎてワインの特徴が感じにくい、または、ワインの香りや味わいが強すぎて料理の特徴を感じにくいという相性。ワインでは「霜降り部分の多い牛肉のステーキと繊細な香りや味わいの白ワイン」、他の酒類では「紹興酒(老酒)と河豚の薄造り」などがその例です。 ワインと料理の相性〈応用編〉 基本が分かったところで、ソムリエも使う、ワンランク上のテクニックをご紹介しましょう。 ①ワインと料理の色合いを合わせる 例えば「白ワインには白身魚や鶏肉といった料理」「赤ワインには牛肉料理」「ロゼワインにはサーモンや海老の料理」ように、ワインと料理の色を合わせる手法があります。これは、白いワインは軽やかなものが多く、赤いワインは重厚なものが多いからです。色を合わせるのが、お洒落な印象を高めるとして注目を集めています。 ②ブドウの品種別に料理を合わせる ニューワールドワインが増えて、ブドウの品種からワインを選ぶことも増え、ブドウの品種別に料理を合わせるスタイルも人気です。例えば、ソーヴィニヨン・ブラン種の特徴に同調するように、フレッシュハーブやライムで風味付けした料理を合わせるような相性が世界各国のレストランで注目されています。 ③ワイン生産地の料理を合わせる フランスワインとフランス料理、ブルゴーニュワインとブルゴーニュ地方の料理といった伝統的な相性を楽しむのは今も昔も同じ。長い歴史の中で育まれてきた相性、地元の人が好む相性を大切にし、食卓で旅気分が味わえる相性ともいえます。 ④ワインの価格(格)に見合った料理を合わせる 高額で希少価値の高いワインには見合った料理を用意し、リーズナブルな価格帯のワインにはリーズナブルな料理を用意すべきという考え方。特別な日には特別な気分を味わいたい、日常では気軽な気分を味わいたいという精神的な欲求を反映しています。 タイプ別のオススメ料理 次に、ワインのタイプ別にオススメ料理をご紹介します。 ●白ワイン 軽快タイプ 前菜や魚料理など、軽快タイプの「軽やかさ」や「爽やかさ」と同調する料理がオススメ。 例▶シーフードサラダ、野菜のテリーヌ、白身魚の薄造り柚子ポン酢、など 重厚タイプ 香ばしく焼き上げた甲殻類や鶏肉料理など、重厚タイプの「凝縮感」や「香ばしさ」と同調する料理がオススメ。 例▶マグロのグリル、海老のスパイス焼き、鶏モモ肉のバターソテー、など 中間タイプ 軽快タイプと重厚タイプの間の料理が理想。白ワインとしては、料理との相性の幅が広いタイプともいえます。 ●赤ワイン 軽快タイプ 野菜料理や魚料理など、軽快タイプの「軽やかさ」や「爽やかさ」と同調する料理がオススメ(渋味成分が少ないので、魚料理にも合わせやすい)。 例▶夏野菜のラタトゥイユ、鰹のカルパッチョ、フレッシュチーズのラズベリーソース、など 重厚タイプ 脂ののった肉料理など、重厚タイプの「凝縮感」や「香ばしさ」と同調する料理がおススメ。また、強い渋味によるウォッシュ効果も期待できます。 例▶Tボーンステーキ、ビーフシチュー、ジンギスカン、北京ダック、など 中間タイプ 軽快タイプと重厚タイプの間の料理が理想。なお、赤ワインとしては、料理との相性の幅が広いタイプともいえます。 ●スパークリングワイン スパークリングワインは、料理との相性の幅が広く、いろいろな料理と楽しめるのが魅力です。特に軽快タイプは、和洋中問わずいろいろな料理と気軽に合わせてみましょう。 重厚タイプ(熟成したシャンパンなど)は、フォアグラ入りのブリオッシュや、キャビア、トリュフ風味の料理などの相性を楽しむワイン愛好家も多くいます。 【参考】 ・『酒仙人直伝 よくわかるワイン』 出版:NPO法人FBO ・『新訂 ワインの基』出版:全日本ソムリエ連盟(ANSA)/NPO法人FBO 【注意事項】 ・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。 ・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。 ライター紹介🍶 さけぱる編集部 唎酒師の認定団体であるSSIの広報室所属アラサーチームで構成されている、さけぱる編集部です。私たちのような世代の皆さまが、お酒をもっとお洒落に気軽にスマートに楽しめるよう、たくさんの素敵な情報をお届けできるよう頑張ります🍶 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする ワインを知る・学ぶ 日本酒の裏ラベルの用語を簡単解説 日本酒誕生にまつわるお話