あなたはどれが好き?世界のお酒は3つに分けられる
「乾杯はやっぱりビールでしょ!」
「最近はクラフトジンにハマってる!」
「推しのメンカラが青だから、ブルーハワイっていうカクテルを飲んでみた!」
お酒を飲むことが好き!といっても、いつも飲んでいるお気に入りのお酒がある人もいれば、食べ物やシチュエーションに合わせて、飲むものを変えている人もいると思います。
たまには違うものを飲んでみようかな?そんな気分のとき、意外とどのお酒にすればいいのか悩んでしまいます。そこで、こちらの記事では、日本酒のプロ、国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠の私、藤代あゆみが、世界のお酒の基礎知識をご説明します!
日本酒の基礎知識についてはこちら:【永久保存版】もう迷わない!日本酒選びの3つの基礎知識
世界のお酒は3つに分けられる
ビール、ワイン、日本酒、焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラム、カシス、カンパリ、コアントロー・・・世界にはたくさんのお酒がありますね。世界中どこでも飲めるビールやワインのような有名なものから、その国や地域でしか飲めないレアなお酒まで、本当に様々です。
数え切れないほどあるお酒、実は大きく3つにわけられるって知っていましたか?あまり聞きなれない言葉もありますが、以下の3つの種類があります。
1. 醸造酒(じょうぞうしゅ):ビールやワイン、日本酒など
2. 蒸留酒(じょうりゅうしゅ):ウイスキーやジン、焼酎など
3. 混成酒(こんせいしゅ):カシスやカンパリ、梅酒など
それぞれの特徴を知ると、「自分は醸造酒が好きみたい!じゃあ別の醸造酒を飲んでみよう」とか、「いつも醸造酒だから、たまには蒸留酒も飲んでみようかな」のように、お酒の幅が広がって、飲む時間がもっと楽しくなりますよ。
1. 醸造酒:ビール・ワイン・日本酒など
醸造酒は、お酒の原点ともいえる種類です。原料となるブドウやお米などを使って、アルコールをつくっています。醸造とは、発酵させる(fermented/ファーメンテッド)という意味で、英語では”fermented beverages”(ファーメンテッド・ビバレッジ)と言いますから、まさに名前の通りですね!
たとえば、乾杯はビールのあなただったら、同じ醸造酒であるワインの中でも、スパークリングワインを選んでみるのもいいかもしれません。また、フレンチやイタリアンのときにはワインを飲むことが多いですが、同じように醸造酒である日本酒だって合わせられるんですよ!
醸造酒の例 | ビール・ワイン・日本酒など |
特徴 | アルコール度数が低く、割らずに飲むことが多い |
こんなときにおすすめ | 食事中に |
2. 蒸留酒:ウイスキー・ジン・焼酎など
蒸留酒は、先ほど説明した醸造酒をつくってからできるお酒です。お料理をするときに、ワインや日本酒を入れることがありますよね?このとき、フライパンなどで温めてアルコールを飛ばすと思います。この飛んでいってしまうアルコールを集めてつくるのが蒸留酒です。英語では”distilled liquor”(ディスティルド・リカー)と言います。ですから、極端なことをいってしまえば、日本酒を温めて飛ばしたアルコールを集めると、米焼酎になるんですね!(この話をすると自宅でつくろうとする人がたまにいますが、無免許での行為は法律で禁止されているのと、そもそも設備がないと無理なのでご注意ください・・・。)
アルコールを集めてつくるから、アルコール度数が高くなるという特徴がありますので、割って飲むことが多い蒸留酒。普段はウイスキーのハイボールを飲む人も、たまには焼酎のソーダ割にしてみたり、いつもはジントニックなら、ウォッカトニックに挑戦してみたり、蒸留酒の種類を変えることで新しいお気に入りが見つかるかもしれませんね!
蒸留酒の例 | ウイスキー・ジン・テキーラ・ラム・ウォッカ・焼酎など |
特徴 | アルコール度数が高く、割って飲むことが多い |
こんなときにおすすめ | 食事の前や後に(※種類による) |
3. 混成酒:カシス・カンパリ・梅酒など
一番見慣れない表現であろう「混成酒」ですが、これは醸造酒か蒸留酒に何かを混ぜてつくっているお酒のことです!たとえば、梅酒は日本酒や焼酎などに漬けてつくられていますよね。カタカナではリキュール、英語でもそのまま”liqueur”といいます。”mixed liquor”(ミックスド・リカー)と呼ばれることもありますが、これはつまり混成酒のことです。
他の原料を加えるだけでなく、糖類や着色料を入れることもあるので、甘くて飲みやすく、また見た目もカラフルなのが楽しい混成酒。いつもはカシスオレンジだけど、少し甘さを控えめにして、ちょっとだけに苦味も楽しみたいなと思ったら、カンパリオレンジにしてみたり、ミルクを飲むときにカルーアを入れて、ちょっとだけ大人っぽくしてみたり、リキュールの数だけ楽しみ方がありますよ。
混成酒の例 | カシス・カンパリ・カルーア・コアントロー・梅酒など |
特徴 | 醸造酒または蒸留酒と混ぜて作られていて、割って飲むことが多い |
こんなときにおすすめ | 食事の前や後に(※種類による) |
日本酒の基礎知識を英語でも学ぼう!
アルクの英語学習誌『ENGLISH JOURNAL』2022年10月号(2022年9月6日発売)と11月号(2022年10月6日発売)の「学習コーナー」の”Lecture”(レクチャー)にて、「おとなが愉しむ Sakeの時間」を2回にわたり寄稿しました。日本酒の基礎知識や、季節の日本酒、世界のお酒文化について、英語と日本語で解説しています。この【さけぱる】を運営する日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会(SSI)にもご協力をいただいて、日本人でも意外と知らない日本酒の魅力をお伝えしています。
この記事では、世界のお酒が3つにわけられることを説明をしましたが、「日本酒のことをもっと知りたい!」「世界のお酒文化に興味がある!」なんてあなたは、ぜひこちらの雑誌もチェックしてみてくださいね。
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【参考】
・『新訂 日本酒の基』(NPO法人FBO)
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ライター紹介🍶
藤代あゆみ
平成元年、東京生まれ、共立女子大学文芸学部劇芸術コース卒。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)公認国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠。「日本酒オタクのあゆみせんせい」として、シンガポールを中心に、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米など世界20カ国以上の人に向けて日本酒を広める活動を経験。平尾アウリ先生のマンガ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(徳間書店)が死ぬほど好きと言い続けたら実現したENGLISH JOURNAL ONLINEの連載がパワーアップして『推し英語入門』(アルク)として書籍化、好評発売中!
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