HOME 記事 あれやこれや 夏至とは?その風習や、さけぱる流に楽しむ食べ物&飲み物を解説します! 夏至とは?その風習や、さけぱる流に楽しむ食べ物&飲み物を解説します! 2022.06.10あれやこれや 日本では古来、季節を知る唯一の手段として二十四節気が使用されていました。 天候に左右されやすい当時の農業従事者に重宝されていた二十四節気ですが、現代でも季節の挨拶として活用されていることからご存じの方もいるかもしれません。 今回はその二十四節気のうちの一つ、“夏至”について解説をしていきます。 まずは二十四節気や他の農事(催事)歴について まず二十四節気とは、太陽の動きを基にして古代中国の黄河流域より発展した考え方で、ひと月を2等分して一節とし、合計二十四の節で構成されています。 みなさんも聞き覚えのある“春分”や“秋分”、柚子湯に浸かりカボチャを食して健康を願う“冬至”なども二十四節気の内の一節なんですよ。 また、二十四節気の一節をさらに3等分し、細分化した“七十二候”という考え方もあります。 それぞれが「麦秋至(むぎのときいたる)」や「桃始笑(ももはじめてさく)」など、実生活において身の回りで起こる変化をより細やかに表現しています。 まずは二十四節気や他の農事(催事)歴について ちなみに、二十四節気や七十二候はいずれも古代中国の黄河流域を発祥とする暦の一つです。 なので実際の日本の四季とはズレが生じてしまいます。 「暦の上では春ですが、まだまだ寒いですね・・・」なんてやり取りを耳にした人も多いのでは? そこで二十四節気などのズレを補う形で“雑節”という農事歴が江戸時代頃から日本で発達をしました。 茶摘みの時期を示す“八十八夜”、鰻や梅干しで有名な“土用”や“彼岸”なども雑節の1つなんですよ。 カレンダーや天気予報のなかった時代ではこれらの暦をとても重要視していたんですね。 夏至について 夏至は二十四節気のうちの一つで、1年のうちで最も太陽が高く昇り、日照時間が長くなる日です。 つまり1年で最も昼の時間が長く、夜の時間が短い日のことを指します。 北半球ではこの日が一年の中で一番昼が長く、夜が短い日となり、逆に南半球では最も昼が短く、夜が長い日となります。 北極の1日中太陽が沈まない“白夜”や南極の1日中太陽が昇らない“極夜”も夏至のあたりに起こる現象なんです。 さけぱる流!夏至の楽しみ方~食べ物編~ 二十四節気などではその時期に旬を迎える食べ物や料理がふるまわれることがありますが、夏至も例外ではありません。 でも、冬至の“かぼちゃ”や端午の節句の“柏餅や粽”のように全国共通で食べられている物ではなく、その地域ならではの食べ物や料理が多くなっているようです。 一部をご紹介します! ◇関西地方:蛸(たこ) 「タコの足のように稲の根が広く深く張るように」という願いを込めて、タコを食べるようになったとされています。 ◇関東地方:新小麦を使った焼き餅 「餅のように粘り強く」という関東の考え方が由来となっており、半夏生餅に類似した物と言われています。 ◇奈良県・和歌山県や大阪府河内地方:半夏生(はんげしょう)餅 もち米と小麦を半分ずつ搗いて、きな粉をまぶした物。 小麦餅とも呼ばれています。 半夏生とは雑節の一つで、豊作を祈り、田植えが無事に終わったことを神様に感謝ために田んぼの神様へ捧げられます。 ◇三重県:茗荷(みょうが)由来については諸説ありますが、滋養強壮や解毒作用など、夏バテ防止に打って付けの食材ですね。 ◇福井県:焼きサバ 由来についての諸説の一つとして、この時期までに田植えを終え疲弊した農民を労う為に藩主が焼きサバを振舞った、というお話があります。 ◇香川県:うどん その年に収穫されたばかりの麦を使ったうどんを食べることで、農作業を手伝ってくれた人たちへのお礼の意味を込めています。 また、夏至の日は香川では『うどんの日』に制定しています。 さすが香川県!といった感じです。 さけぱる流!夏至の楽しみ方~飲み物(特にお酒)編~ 夏至に各地方で食べられる食材は夏の始まりを感じさせるものばかりですね。 ならば一緒に楽しむお酒も夏にぴったりのものを選びましょう! 例えばワインであれば、すっきりとして軽快な白ワインや色の鮮やかなロゼワインがオススメです。 ボトルデザインも淡い色合いや可愛らしいラベルのものを選んで気分も盛り上げたいですね。 日本酒であればこの時期から順次販売される“夏酒”というカテゴリーを選んでみましょう。 夏酒に関しての詳しい記事はこちらをご覧ください↓↓↓ 「暑い夏こそ、粋に夏酒で涼を味わいませんか?」 また、同じ日本酒でも、色んな炭酸割りなどカクテルとして色々な飲み方が出来るのはご存じですか? 日本酒カクテルなど、その懐深さを知ることの出来る記事はこちらをご覧ください↓↓↓ 「日本酒は怖くない!こんな飲み方もアリです」 “夏至”は農耕と深く関係し、人々の祈りと労いが形となって今日まで受け継がれてきました。 なお、次の冬至まで健康に過ごすための願いも込められています。 また、現在の暦の上でも一年の半分が経過することになりますね。 さけぱる読者の皆さんも思い思いの食材や飲み物と一緒に夏至を迎えて、残りの半年を乗り切りましょう! 【参考】 ・『新訂 日本酒の基』(NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)) ・『暦要項』(国立天文台WEBページ) 【注意事項】 ・記事、データ等の著作権その他一切の権利は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に帰属します。 ・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。 ライター紹介🍶 さんちゃそ 作って食べて飲むことが、趣味であり人生最大の楽しみ。 その過程で学んだ副産物を「知識のメモ」として記事に残しています。 日本酒をもっと知りたい人におすすめの書籍や資格情報 Tweet Share RSS この記事のタイトルとURLをコピーする あれやこれや 国際唎酒師のひとりごと〜日本酒を飲みすぎないで・・・ 一本の地酒をもっと楽しもう!〜豊の秋(米田酒造)編〜